危機に瀕する文化遺産・上熊本駅舎



上熊本駅舎(2000.09.24)



1913年に建てられ、以来、90年以上にわたり熊本を見守ってきた上熊本駅舎が、取り壊されようとしているとの知らせが、大阪に住む私にも伝わってきました。

熊本市黒髪に11年間住んでいた私は、旅行や所用でJRを利用する際、上熊本駅を利用する機会が多く、温もりのある木造駅舎には特別な愛着があります。

そして、熊本を遠く離れている身にとって、熊本を象徴する風景のひとつとして、洋風建築の上熊本駅舎が心の中に深く記憶されています。

私たちや行政は責任を持って、日本が近代化を推し進めていた当時をよく伝える重要な近代化遺産として、この駅舎を後世に遺すべきではないかとも思います。


1.上熊本駅とは?
2.歴史の証人・上熊本駅舎
3.なぜ取り壊されようとしているのか?
4.新聞記事へのリンク
5.駅舎保存に向けた動き

 
上熊本駅舎 2001.12.31

1.上熊本駅とは?
 上熊本駅はJR鹿児島本線に置かれた駅です。1891(明治24)年に池田駅として開業し、初代の駅舎が建てられました。問題となっている現在の2代目駅舎は1913(大正2)年に建築されました。
 熊本市街地の北に位置しており、特急「有明」や、九州新幹線接続特急「リレーつばめ」の一部など優等列車の停車駅です。さらに駅前からは市中心部へ向かう熊本市電、熊本市の北郊へ向かう熊本電鉄、および市営バス、九州産交バスが頻繁に発着し、文字通り熊本の北の玄関口です。

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2.歴史の証人・上熊本駅
 2代目となる現在の駅舎の竣工は1913(大正2)年。設計者・施工者は不明とされています。同時期の鹿児島本線で建築され現存する駅舎として、門司港駅(1914年竣工・国指定重文)と折尾駅(1917年竣工)があり、いずれも風格のある洋風木造建築を現在に伝えています。
 現在の駅舎が竣工する前、第五高等学校(現在の熊本大学)に赴任した小泉八雲がこの駅を舞台に「停車場にて」という小説を書きました。また、明治26(1896)年、夏目漱石が第五高等学校に赴任した際にはこの駅に降り立ちました。駅前には、夏目漱石の銅像が建てられています。

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3.なぜ取り壊されようとしているのか?
 九州新幹線が2012年度の全通(博多-新八代間開業)を目標に工事が進められ、新幹線の高架が上熊本駅を通ります。また、それに合わせて在来線も高架化され、上熊本駅の駅舎も建て替えられる事になっています。
 現在の位置での保存は困難だとしても、移築は可能ですが、2億5千万円程度の費用がかかると見込まれます。「JR上熊本駅舎を活かす会」(奥村健一代表)では、駅舎を移築して、市電の電停に活用しようと提案しているとの事ですが、解決しなければならない問題も多いようです。
 しかしこのままの予定では、平成17年6月には取り壊されてしまいます。

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4.新聞記事へのリンク (注:リンク切れ多数)
見出し凡例 熊:熊本日日、 西:西日本、 毎:毎日

熊・2003.11.21 【新生面】上熊本駅
熊・2004.08.18 【新生面】熊本城に一番近い駅
西・2004.08.26 【ワードBOX】JR上熊本駅 (関連記事あり)
西・2004.09.01 JR上熊本駅舎 「完全保存は困難」 構造上問題 市、県が住民説明会
熊・2004.10.03 草枕の駅コンサート 上熊本駅前広場で演奏や朗読会
熊・2004.11.17 JR上熊本駅駅舎 市民グループと文化団体「共同で保存運動を」
毎・2004.11.17 高架化に伴い来年6月撤去予定の上熊本駅、観光資源に 文化人ら対応策協議
西・2004.11.17 上熊本駅舎保存へ団結 住民と文化団体など議論(new!)
熊・2004.11.19 【射程】まちづくりのシンボルに
毎・2005.01.05 新幹線並行在来線問題 上熊本駅舎、保存へ 熊本市長「移転・復元検討中」 /熊本
熊・2005.01.21 JR上熊本駅舎 市電電停の上屋に活用 熊本市が検討案

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5.駅舎保存に向けた動き
熊本市内では、駅舎保存を訴える、以下のような活動が行なわれています。

NPO団体 熊本まちなみトラスト では、上熊本駅舎の保存を訴え、駅舎を市電のホーム上屋として再活用しようという崇城大学西郷研究室の提案を紹介しています。

熊本県内の8文化団体(熊本日英協会、くまもと漱石倶楽部、熊本八雲会 その他)の代表者が、潮谷知事、幸山市長に「JR上熊本駅の保存、活用を求める」要望書を提出しました。

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更新履歴
04.11.07 サイト開設
04.11.13 新聞記事へのリンクを暫定的に掲載
04.11.21 新聞記事へのリンクに追加・駅舎保存に向けた動きをアップ
04.11.28 新聞記事へのリンクに追加